STD(Sexually Transmitted Disease)。性行為感染症と訳されていますが、難しい言葉で表現すると、「異性あるいは同性間の性交あるいは性行為類似行為によって感染する疾患」となります。あまり嬉しくないプレゼントですが結構種類も多くて、どれをおねだりしようかとあれこれ迷ってしまいます。(はい! ここで突っ込んでください!)

 まず、梅毒・淋病など性病といわれるもの。ウィルスが原因しているものではコンジローマ・肝炎・サイトメガロウィルス感染症・AIDS・単純ヘルペス。クラミジアによる子宮頚管炎・骨盤腹膜炎・尿道炎・真菌感染症。トリコモナスなど原虫。毛じらみ症・疥癬など寄生虫の感染。ここで全てについてお話しするスペースがありませんので最近気になる、ちょっと厄介な同居人、単純ヘルペスに登場してもらいましょう。

 単純ヘルペスはほとんどの人に感染しており、一生ともに過ごしています。風邪を引いたり、疲れたりした時に皮膚や粘膜に水疱を作ります。よく出る場所は唇、指、陰部などで、水疱はいずれ破れてびらんとなり、やがてかさぶたとなって約2週間程度で治ります。この水疱の中にはウィルスがわんさかいますから、この時期に水疱に触れたり、タオルなどを一緒に使ったりすると移ってしまいますので注意しましょう。

 大人になって初めて感染すると症状は重く、40度近い高熱が何日も続いたり、皮膚や粘膜がびらんだらけになって強い痛みを伴うこともあります。半端じゃないですよ。
また、赤ちゃんが生まれる時に産道がウィルスに汚染されていると、そこで感染して命にかかわることもあります。名前は「単純」ですが侮れません。
 ちなみに、以前は口などに感染する(特)型と外陰部に感染する(監)型とでテリトリーが分かれていましたが、最近では両方の型が混在している様です。性生活の変遷によるのでしょうかね。

 単純ヘルペスウィルスは「同居人」です。決して完全には治りません。少しでも日常生活の妨げにならないように、また、パートナーに迷惑をかけないように、うまく付き合っていくことが肝心です。
 まず、症状が出始めたら早めに治療すること。軟膏や飲み薬などで症状を押さえ込むことが可能です。また、水疱やびらんがある時には接触感染の可能性が非常に高くなります。この時期のHはご法度ですから、パートナーの協力も不可欠です。お決まりの言葉ですが、普段から体力が低下しないように規則正しい生活に気をつけることはもっとも有効です。

 それからもうひとつ。感染してすぐに症状が起きるわけではありません。何年もして症状が出ることも結構あります。もし、感染しても今のパートナーではない可能性もありますので慌てないように。
 さて、次はAIDSですが……何! もう時間切れ!
 「神様、もう少しだけ」

 さあ夏本番! 海へ山へ海外へ、あるいは休み返上で仕事へと、スケジュールはぎっしり。張りきって行こう! 
 …という時に「下着の中は梅雨まだ明けず」ではブルーですよね。
 おりものは体調のバロメーターです。量、色、匂いなど日々微妙に変化しています。健康な時は、無色または乳白色で、やや甘酸っぱい匂いがします。量がいつもより増えたり、色がついたり、嫌な匂いがしたり、かゆみを伴ったりしている時はなんらかの病気にかかっていることが考えられます。今日はおりものについて少し勉強してみましょう。

 子宮の出入口にあたる子宮頚管から出ている「頚管粘液」と、膣から出ている「膣分泌物」が混じり合ったものがおりものです。頚管粘液は普段は量も少なく、粘っこく、頚管にふたをして外部からの進入を防いでいますが、排卵が近づくにつれて量が増え、透明になり、さらっとしてきます。そうして、精子を迎えやすくしているのです。
 しゃがみ込んだ状態で膣の奥に指を入れると、鼻の頭のようなものが触れます。それが子宮の出入口です。指についた頚管粘液の変化を見ることで、排卵が近い時期かなど、今のホルモンの状態を知ることができます。 

 また、膣分泌物は常在菌である「デーデルライン桿菌」(膣の門番です)の働きによって弱酸性に保たれており、ほかの雑菌などが発育しにくい環境を作っています。特有の匂いもこの菌のせいです。妙に匂いやおりものの量に敏感なあまり、ビデなどで膣内をむやみに洗浄したりすると、せっかくの環境を破壊してしまい、かえって膣炎などになりやすくなってしまいます。
 つまり、おりものは女性の腹腔内(お腹の中)を外敵から守っている力強い味方なのです。あまり嫌わないでやってくださいね。

 でも、次のような変化はチェックが必要です。色では赤、茶、褐色、黒(これらは出血です)、または黄緑色など。状態ではぶくぶくと泡っぽい、酒粕とかチーズのかすの様など。匂いは体調にもよりますが、いつもと違う場合。さらにかゆみとか痛みがある時は早めの手当てが必要です。
 おりものの異常にはいろいろな原因があり、それぞれ治療が違います。ちゃんと治すためには専門医の検査がどうしても必要です。あなたの身体を守っているおりものをいたわってやってください。

 トイレの悩みといっても、今回の話題は「尿失禁」です。便秘も辛いのですが、おもらし(尿失禁)は人に言えないだけに深刻です。
 くしゃみをした時、重いものを持った時、ジョギングなどの運動をした時、思わず漏れてしまったことはありませんか?
 「おばあちゃんじゃあるまいし」
 と思われるかも知れませんが、尿失禁の発症年齢は20歳代から増え始め、30歳代が最も高頻度なんです。今から一生オモラシと付きあうなんて嫌ですよね。

 でも、もともと女性の尿道は短く、出口を支えている筋肉が緩んでくると漏れやすい構造になっています。筋肉が緩んでしまう原因は、太りすぎ、お産、運動不足などがあります。もちろん、尿失禁にもいくつかの種類があり、それぞれ原因は異なりますが、若い女性の尿失禁は圧倒的に「腹圧性尿失禁」と呼ばれる筋肉の緩みから起きるものが多くなっています。

 尿失禁は立派な病気です。しっかり努力すれば快適な毎日が戻ってきます。具体的には、まず、原因のひとつである肥満にならないようにすること。便秘をすると腸が膀胱を圧迫するようになるため、便秘をしないようにすること。いたずらに水分を制限して、おしっこの量を少なくしないようにすること。尿道の出口を支えている筋肉を鍛えるために、肛門・膣をぎゅっと閉める練習を繰り返すこと。特にお産の後は要注意です。

 まず2、3ヶ月頑張ってください。それでも効果がないときには、他の原因が絡んでいる可能性があります。恥ずかしがらずに近くの産婦人科か泌尿器科に相談してください。

今月少し遅れ気味。
「ひょっとして……」
薬局で妊娠判断試験薬を買ってきて調べてみると、
「あっ!」
早速近くの産婦人科に受診。
「おめでたですね。2ヶ月の半ばですかね」
「えっ! もう2ヶ月半!? いったいこの児はいつの児?」

 なんて早とちりする人はもういないと思いますが、妊娠にまつわる言葉はよく耳にするわりに、正しい意味は意外と知らないものです。2ヶ月の半ばにさしかかったと言われて、赤ちゃんが2ヶ月半育ってきたと勘違いする人がいても、案外不思議ではないかもしれません。なんとなくわかんないですよね。

 まず、妊娠の時期は2種類の方法で表現します。ひとつは「妊娠週数」、もうひとつは「妊娠月数」です。妊娠週数は、月経周期が28日型であることを前提として、最終月経の開始日から「満」で数えてゆきます。
 一方、4週間をひと月として「数え」で表すのが妊娠月数です。そのため、暦上の月とは若干ズレが出てきます。

 冒頭の例では授精してからおよそ4週間。「2ヶ月の半ば」と言っていましたが、妊娠週数でいくと「妊娠6週」、妊娠月数では「妊娠2ヶ月半ば」となるわけです。
 いいですか? 混乱しないように以後は「妊娠週数」で話を進めていきます。というのも、月数で表現するのは日本だけのようですから、グローバルな感覚をお持ちの読者諸姉には妊娠週数の方が似合ってますものね。

 分娩予定日は妊娠40週0日ですが、この日に必ず生まれるわけではありません。妊娠37週0日から妊娠41週6日までの5週間が「正期産」つまり正常です。それまでにお産になってしまうのを「流産」「早産」と言います。
 流産と早産の違いはちょっと難しい。現在のところ妊娠22週0日未満が流産ですが、赤ちゃんが絶対に助からない時期のお産を流産と言いますから、時代によって国によって定義が変わってきています。蛇足ですが、流産と正期産の間が早産です。

 妊娠42週を超えると胎盤の機能が低下してきて、赤ちゃんが子宮内で死んでしまうこともあります。この時期は「過期産」と呼びます。
 どこかのCFのキャッチコピーに
“どうして私には弟がいないの?と言われた10ヶ月後に弟が出来た”
……そりゃもう化石じゃ!

 よく業界用語と言われるものがありますね。同じ職種の人達の間では非常に便利ですが、一般の人にはわかりにくい言葉です。
 お医者さんの使う言葉も、ほとんどは「医学専門用語」、つまりは業界用語です。新聞・雑誌などでよく耳にしても正しく理解するにはそれなりの基礎知識がいります。
 病院でお医者さんの説明を聞いていて、だんだんと外国語を聞いているような気分になったことはありませんか? このコラムでは、女性が自分自身の体のことを理解するために、できる限りやさしく「医学専門用語」を解説していきたいと思います。

 今回は『骨粗鬆症』(こつそしょうしょう)についてお話します。
 この病気は、骨がもろくなり、骨折しやすくなっている状態を言いますが、少し皮肉っぽく定義するならば
 「医療費抑制のために生まれた病気」
とも言えます。

 そもそも骨の強さ(骨量)のピークは30歳代にあって、徐々にもろくなっていきます。これは止めようがありません。特に女性は閉経してホルモンの働きが弱まると一気に加速されます。まるでジェットコースターです。
 人生50年、60年の時代なら大きな問題ではありませんでしたが、寿命が延びてくると大変です。自分では元気なつもりでも、ちょっとつまずいて脚の付け根(大腿骨骨頚部)を骨折しようものなら長い入院期間、手術が必要になります。また、お年寄りが寝込んでしまうと、刺激がなくなってボケ(老人性痴呆)が進みます。
 このような患者さんが年々増加し、その結果国民が負担する医療費が莫大なものとなってきました。そこで『骨粗鬆症』の治療が必要となったのです。

 具体的にはまず食事。骨量のピークを高くするためには特に10歳代から30歳代の間に偏食をせず、カルシウムをしっかり摂ることが必要です。自己流のダイエットは厳禁です。また、骨量の減少を最小限に食い止めるためにもカルシウムは欠かせません。
 次に日光浴。カルシウムの吸収に欠かせないビタミンDは、人間の皮膚が太陽の紫外線を浴びることで作られます。日陰で30分から40分位で十分です。紫外線の浴びすぎは皮膚がん、シミの原因になりますからほどほどに。
 3番目に運動。骨に刺激を与えることによって、骨量の維持に効果があります。ただし、限度を超えないようにしてください。骨を鍛えるための運動で骨折でもしたら、それこそ“骨折り損のくたびれ儲け”ですよ。

 4月10日(金)、熊野町にオープンする建物はとってもお洒落だ。ほぼ円形という奇抜な形のあちこちに洗練されたセンスが光る。これが産科・婦人科・内科のそろった病院『豊田レディースクリニック』とは、聞かなければわからない。
 本当に病院なの?と中に入ってみると、まるでホテルのロビーのよう。5分もいればすっかりくつろぎモードにはいって、「ここに住みた〜い」と思っちゃうくらいなんである。どうしてこのように快適な病院をつくることにしたのだろう。院長の豊田紳敬先生に、産婦人科医の目で見た女性の一生と、クリニックの関係について語ってもらった。

 「女性の一生は女性ホルモンに支配されている」といっても過言ではありません。女性の人生は女性ホルモンの影響から大きくわけて3つ。「幼児期」「性成熟期」「老年期」です。それぞれに移行する時、つまり思春期と更年期には、精神的にも肉体的にも不安定になります。とくに、「老年期」へと移行する更年期には、思春期にはなかった更年期障害で苦しまれる方もずいぶんいらっしゃいます。
 高齢化が進み、これから「老年期」は人生の3分の1どころか最も長い時期となるでしょう。更年期障害をいかに乗り越えるか。また、最近話題の骨粗鬆症の予防、高脂血症、高血圧の管理をして、いかにすこやかな「老年期」を過ごすかは、高齢化社会の命題です。

 そこで「女性の家庭医としての産婦人科医」という考え方ができると思います。産婦人科というと妊娠・出産のイメージが強いものですが、「ちょっと熱っぽいかな」とか「お腹が痛いんだけど」で気軽に足を運べる行きやすい産婦人科医があってもいいでしょう?

 そんな病院をめざして、今度開院するクリニックでは、患者さんに満足してもらうことを第一に考えました。ゆったり落ち着ける待合室や、子どもさんが安心して遊べるプレイルーム。診察以外でも気軽に来ていただけるように、講演会やミニコンサートができる多目的ホール。もちろん、清潔でプライバシーを十分に考慮した診察室や、骨粗鬆症の管理のための骨量測定装置など、最新の装置をそろえて医療設備も充実させました。また、少しでも患者さんとたくさん会話ができるように、事務処理やカルテ記入にかかる時間を最小限におさえられる電子カルテシステムを導入し、細やかな配慮をしたつもりです。

 医者の仕事の基本は「正しい診断と正しい治療で病気をきちんと治すこと」。でも、それだけではなく、「一度行ってみたい」「また来よう」と感じてもらえたら、女性のホームドクターとしての産婦人科になれればと思います。

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