次の休みには、夜桜だ〜!てな感じでみなさん盛り上がっているでしょうね。日本人はほんとに桜が好きです。一瞬の輝きというか、さっと散り行く美学というか、やはり理屈抜きに桜は綺麗です。
 それにしてもキチンと季節を忘れずに咲くものですね。気温、湿度、日照時間などいろんな条件を感知するのでしょうがたいしたものです。

 桜に限らず命あるものは全て季節の周期だけでなく、一日のリズムもしっかりと持っています。このリズムは、ラテン語の「およそ」という意味の「サーカ」と「一日」を表す「ディアン」をくっつけて、『サーカディアンリズム』と呼ばれています。
 ヒトの体もこのリズムに支配されていて、心臓発作、腸の動き、おしっこの量、血圧、喘息の発作、ホルモンなども関係が深いといわれています。

 例えば、心筋梗塞は朝の9時頃と夜の8時頃に多く、腸や腎臓は夜には働きが悪い。血圧は昼間高く、夜から午前中は低くなる。喘息の発作は夜間が圧倒的に多い。ホルモンにいたっては、朝方高くなるタイプ、深夜に高くなるタイプ、食事や運動に左右されるタイプなど様ざまです。
 ヒトの持っているリズムは実は約25時間だそうです。ところが普段は、朝昼晩にごはんを食べることや、毎朝ちゃんと学校や会社に行くことや、なによりも太陽の光を浴びることで24時間のリズムに矯正しています。

 このリズムが崩れるといろんな不調が起こってきます。不眠症や過敏性腸炎、自律神経失調症などはよくありますね。どういった時に崩れるかというと、わかりやすいのが「時差ぼけ」。5時間以上の時差がある場所へ高速に移動すると、ボケーッとして自分の体じゃないみたいになってしまいます。他にも看護婦さんのように夜勤とか変則的な時間の勤務をする時。夏休みなどの長期休暇や受験勉強などで夜と昼が逆転してしまった時。こんな時はリズムが狂ってしまいます。

 時計が狂ったら正しい時刻にあわすしかありません。朝になったら頑張って起きてしっかり日の光を浴びる。昼間は友達と話したり、仕事をしたりして世間のリズムにあわせる。規則的に食事をとる。体を動かす。そして夜には極力寝る。
 寝るのが一番大変ですが、とっても大切です。
 今、明け方近い時間にコンビニでぴーぷるを立ち読みしているあなた! さっさと買って早く家に帰って寝なさい!

 よく耳にする病名ですが、いったいどんな病気なんでしょうか? 
 食べ物に含まれる脂質は吸収されて血液に運ばれていきます。脂質(コレステロールや中性脂肪など)はホルモンの材料になるなど、身体にとって大切な物なんですが、これが異常に多い状態を『高脂血症』といいます。
 ただ『高脂血症』というだけでは別にどこか痛くなるわけではありません。コレステロールが血管の壁にくっついて動脈硬化を起こす。血液の流れが悪くなる。ある日突然心臓や頭の血管が詰まって倒れてしまう。特に血圧が高めの人、糖尿病の人で『高脂血症』だとリスクが倍増します。

 これらの病気は以前「成人病」といっていましたが、最近は「生活習慣病」と呼んでいます。名前のとおり生活習慣の乱れから引き起こされる病気で、逆にいうと生活を正すことによって防ぐことも治していくことも可能です。
 「まだ若いからかんけ〜な〜い!」と思っているあなた! 今からが大切なんです。自分の生活習慣をもう一度、チェックしてみてください。

 お腹いっぱいになるまで食べていませんか。あまり噛まずに早食いしていませんか。夜寝る前に夜食をしていませんか。ついつい外食が多くなったり、清涼飲料水を摂りがちではないですか。
 最近歩くことが少なくなっていませんか。近所の買い物に車に乗ったり、2階に上がるのにエレベーターを使ったりしていませんか。スポーツなど身体を動かす機会が減っていませんか。
 タバコを吸っていますか。特に仕事帰りに居酒屋で一杯ひっかけながらくわえタバコなんて「オヤジギャル」してる人。レッドカードです。

 まずは、コレステロールの多い食品を控えることが大切です(やめるわけではありません)。肉類、揚げ物、肝臓・卵、甘い物などは控えましょう。努めて食べたいものは海草類、豆類、きのこなど食物繊維を多く含むもの、野菜、魚(特に青魚)です。
 次に摂った脂質をしっかり燃やすことが大切です。週に3回以上は1時間程度の少し早足での散歩をすること。通勤、通学の時にもできるだけ歩くようにすること。エレベーター、エスカレーターをなるべく使わず階段を使うようにすること。

 さらに、コレステロールは酸化することによって、動脈硬化を起こすので酸化させないようにすることが大切です。そのためには、タバコを吸わない。ストレスをためない。適度な運動をする。ビタミンC、ビタミンE、フラボノイド、最近話題の赤ワインを適量飲むことはおすすめです。
 女性は女性ホルモンの働きで高脂血症になりにくくなっています。閉経してホルモンの働きが悪くなると若い時のつけがまわってきます。長年の習慣を変えるのは大変です。今のうちから健康的な習慣を身につけましょう。

 明けましておめでとうございます。
 ところでみなさんのところでは「2000年問題」はいかがでしたか? この原稿を書いている時にはもちろんまだ起きていませんから何とも言えませんが、個人的にはちょっと騒ぎすぎのような気がします。万が一に備える事はもちろん大切と思います。でも、食料・水は2〜3カ月分備蓄しろ! 乾電池は十分か! ファンヒーターはだめだから石油ストーブにしろ! 飛行機に乗ったら死ぬかもしれないぞ! 外国から核ミサイルが来るかもしれないぞ!……まっ、核攻撃ならどこにいても一緒ですけどね。

 だいたいお正月はおせち料理を作って元旦から数日間は台所の火を使わないのが習わしですよね。別段大騒ぎしなくたって毎年やってる事じゃないですか。台風の時だって、大地震の時だって何カ月も時給自足の生活をしなければならない状態はなかったじゃないですか。もちろん何が起きるかわからないし、一地域だけの問題ではないですから比較できない事はわかっています。が、今は便乗商法にだけは引っ掛からないように注意しています。

 お医者さんにはもう一つ「2000年問題」があります。
 新聞報道で耳にした事があるかもしれませんが、平成12年1月1日から「カルテ開示」を開始します。法律で規制されてはかなり大変なことになるので医師会が先手を打った、というところですね。情報公開の流れで歓迎すべき事なんですが、現実はなかなか難しいところがあります。

 まず、「守秘義務」の問題です。患者様の秘密はたとえ親兄弟であっても漏らすわけにはいかない規則になっています。私のクリニックでは、「風邪で受診したかどうか」という問合せでも、ご本人の同意が確認できなければお答えしないようにしています。ところが「カルテ開示」することは情報が一人歩きする可能性もあるわけです。

 次に、「知りたくない権利」の問題です。カルテには症状・診断・処置・処方などはもちろんですが、患者様に対する個人的な印象(例えば「仔細な点をしつこく質問し、扱いに注意が必要」とか「少し身持ちが悪そうな感じ」)も記述されている事があり、信頼関係にひびが入る可能性もあります。

 さらに、最も根本的な問題ですが、カルテだけ見てもまず内容を把握するのは無理だという事です。
 なぜなら、ほとんどの先生は忙しさのあまり(私のクリニックには当てはまりません)メモ程度の記述しかカルテに書く時間がないからです。さらに、その結果かどうかはわかりませんが多くのお医者さんはかなり「達筆」です。自慢じゃありませんが、私の直筆のカルテは暗号解読機を使ってもまず読めません。そのために電子カルテにしたくらいですから。
 そうそう、電子カルテといえば「2000年問題」。コンピューターが止まったら私はもうお手上げです。神様仏様、どうぞ何も起こりませんように!

 いよいよ1000年代も残りわずか。2000年代へ、さらには21世紀へと希望が膨らみます。そこでちょっと振り返ってみると、ノストラダムス大先生が滑ってしまいましたね〜。「まだ終わっていない!」とがんばっている人もいますが、まっ、ほとんどの人の記憶からはすでに消えてしまっている感じです。では、何故今ごろ「大予言」なのか。実はちょっとした根拠があるんです。

 みなさん「風疹」という病気をご存じですか? 子供の時にかかる事が多いのですが、発熱、顔から全身に広がる発疹が特徴で、3日ぐらいで自然に治ってしまいます。そのため「三日ばしか」とも言われます。そんなにたいそうな病気ではありません。
 ところが妊婦さんがこれにかかると大変です。妊娠の時期にもよりますが、特に初期だと「先天性風疹症候群」といって、いろんな先天異常を高率に引き起こしてしまいます。今までにこの「風疹」は5年に一度小流行があり、10年に一度大流行を起こしています。次は2007年頃がその大流行の年に当たります!!

 1969年以後、アメリカでは赤ちゃんに「MMRワクチン」という風疹を含めた3種類のワクチンを与えることによって、ほぼ風疹を撲滅することに成功しました。イギリスでは女子中学生に風疹ワクチンを接種する方式を取りましたが、十分な効果がなく、1998年から「MMRワクチン」に切り替え成功しました。
 日本もちゃんと手を打っていました。1977年から中学2年生の女子を対象にワクチンを開始しました。その後、1987年の大流行を経験し、1989年から「MMRワクチン」に切り替えました。ところが、「無菌性髄膜炎」という副作用のため、1993年に「MMRワクチン」を廃止してしまいました。現在は赤ちゃんと女子中学生に強制ではなく風疹ワクチンを接種しています。

 「何だ。ちゃんとやってるじゃん」というのが落とし穴。去年のインフルエンザの大流行覚えていますか?「ご希望の方はどうぞ」では、誰も痛い思いをしてまで予防注射は受けないようです。
 実際、広島県の中学生を対象にした風疹ワクチンの接種率は、1994年が52%、1995年が24%、1996年は、なんとたったの15%なんです。1996年に中学生だった女性が200年には25歳ぐらい。いったい何万人の妊婦さんが風疹にかかってしまうのでしょうか?
 今からでも遅くありません。ぜひすすんで風疹ワクチンを受けてください。「予言は外れるためにある」ことを祈っています。

 最近は漢方薬もかなり馴染み深くなってきて、薬局に行っても胃腸薬とか風邪薬だとか、テレビでよく聞く名前が目につきます。「カッコントウ」といったら「あっ! 風邪薬」。ピーンときますね。でも、なんとなく知ってはいるけど漢方薬に対する誤解はかなりあるようです。

漢方薬だから副作用がない
 漢方といっても薬です。有効成分を抽出した西洋薬に比べれば少ないかもしれませんが、副作用はちゃんとあります。下痢をしたり、血液中のミネラルのバランスを崩したり、動悸を打ったりすることがあります。時には命に関わるような重篤な副作用を起こすものもありますので注意が必要です。

漢方薬は切れが悪いのですぐに効かない
 もちろん薬にもよります。でも、足がつった時に使う薬とか、冒頭に出た「カッコントウ」などはかなり切れが良い薬で、体に合えばすーっと楽になっていきます。逆のことが西洋薬にいえます。薬によってはじっくりと時間をかけて飲んでいかなければ効果がない西洋薬もあります。

漢方薬は保険がきかないので高い
 産婦人科は特にそうですが、最近のお医者さんは結構漢方薬を使っています。せんじ薬は別ですが、漢方のエキス剤は薬剤として保険に認められています。病院では主にこのエキス剤を処方しているんです。滋養強壮のドリンク剤が若い女性に静かなブームとなっているようですが、それよりはかなりお安く手に入りますよ。

妊娠中でも安心
 漢方薬に使われる生薬のうち、「ボタンピ」とか「トウニン」とか「ブシ」とか「ゴシツ」等は、流早産の原因になったり副作用が強くなったりすることがあります。もちろん西洋薬もそうですが、妊娠中でもキチンと使えばあまり心配の無い薬は多くあります。

友達と症状が同じなのにもらった薬が違う
 漢方薬の場合は特にこのような事があります。「証」(しょう)というそうですが、その人の体質、病気の表れ方、どのようにバランスを崩したために病気になったのか等など、総合的に判断します。その結果でその人に最適な薬が決まります。人によって症状が同じなのに薬が違ったり、同じ薬が全く違う症状の人に使われたりもします。

 少しは誤解がとけましたでしょうか?
 もともと漢方薬も西洋薬も薬です。どちらが良いとか悪いとかでなく、長所短所をよく知ったうえで使う事が必要ですね。

 前に「生理痛」の話の中で少し触れた病気です。よく耳にする名前ですね。はっきりとした数字は不明ですが、30歳以上の女性のおおよそ3〜4人にひとりは「子宮筋腫」だと言われています。あなたもそうかも知れませんよ。
 そもそも子宮は鶏の卵ぐらいの大きさで、全身筋肉の塊です。その筋肉の繊維質がしこりになってしまい、どんどん大きくなったものが「子宮筋腫」です。「子宮筋腫」の成長には女性ホルモンが関係していて、30歳代から閉経ぐらいまでのいわゆる「性成熟期」の女性に多く発生します。

 基本的には「しこり」ですから、例えば「がん」のように命を奪うような病気とは違います。月経の量が増えて貧血になったり、生理痛が強くなったり、膀胱や直腸などを圧迫して便秘や頻尿を起こしたりすることがあります。また、「子宮筋腫」のできた位置によっては不妊の原因になることもあります。
 治療としては手術が中心となります。貧血がなかなか治らない。量が多かったり痛みが強いために、月経期間中の日常生活に支障がある。「手拳大」といわれる大きさを超えている。といった条件の方で、これから先の妊娠を希望されない時には、子宮を「子宮筋腫」もろとも全部摘出するのが普通です。

 ただし、「子宮筋腫」の個数、場所などによっては「子宮筋腫」だけを取る方法もあります。特に子供さんのいらっしゃらない方には、原則的に子宮を残す方法を考えます。最近では「経頚管的子宮筋腫摘出術」といって、ビデオカメラで子宮の中を見ながら、「膣」、「子宮頚管」を通して子宮の中に飛び出した「子宮筋腫」を削り取る方法も行なわれています。

 手術以外にはホルモンを利用した治療法があります。冒頭で『「子宮筋腫」の成長には女性ホルモンが関係している』と言いました。女性ホルモンを押さえ込んでしまう薬を使って、人工的な閉経状態を作り上げると、「子宮筋腫」の成長を止める、または小さくすることができるんです。
 しかし、この薬の欠点は、治療を中止するとまた女性ホルモンが活発に「子宮筋腫」を刺激して、症状が再発しやすいことです。そのため、手術までの時間稼ぎに使ったり、そろそろ閉経を迎えそうな年齢の方に、早目に閉経していただくために使ったりします。

 ほとんど症状がない「子宮筋腫」もあります。小さいものならば何もしませんが、ある程度大きい時にはちょっと悩みます。基本的には定期的な検診をしますが、ケースバイケースといったとこでしょうか?
 いつも健康診断で貧血と言われる。最近生理が重い。何となく下腹が出てきた気がする。そんな方は一度婦人科のドアを叩いてください。 

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